西尾維新


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〈戯言シリーズ・人間シリーズ〉
クビキリサイクル☆8/クビシメロマンチスト☆8/クビツリハイスクール☆7/サイコロジカル☆7/ヒトクイマジカル☆6/ネコソギラジカル☆4
零崎双識の人間試験☆6/零崎軋識の人間ノック☆6/零崎曲識の人間人間☆7
零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係☆6/無桐伊織との関係☆6/零崎双識との関係☆6/戯言遣いとの関係☆7
〈世界シリーズ〉
きみとぼくの壊れた世界☆7/不気味で素朴な囲われた世界☆6/きみとぼくが壊した世界☆7
不気味で素朴な囲われたきみとぼくが壊した世界☆5
〈その他〉
ダブルダウン勘繰郎 トリプルプレイ助悪郎☆6・7










クビキリサイクル

〔あらすじ〕

絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする。
工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証明終了”できるのか?

★★★★ 8点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第1弾
  第23回メフィスト賞
〔感想〕

ラノベというものを初めて読んだが、今までの偏見を少し改めようと思った。
ミステリのトリックとラノベのキャラの魅力がいい具合に混ざっていて、さらに+αのサプライズもありでかなり好き。
首切りの理由もシンプルに狂気的で素晴らしい。









クビシメロマンチスト

〔あらすじ〕

連続殺人鬼に古都は揺れ、世界は崩壊する 京都の大学で戯言遣い・いーちゃんが仲間と送る日常は、連続殺人鬼・零崎との出会いで一変する。
そして急転直下の衝撃! 青春エンタの傑作、維新文庫の第2弾。

★★★★ 8点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第2弾
〔感想〕

これも面白い。
クビキリと並んで戯言シリーズ中ベスト。









クビツリハイスクール

〔あらすじ〕

「紫木一姫(ゆかりきいちひめ)って生徒を学園から救い出すのが、今回のあたしのお仕事」
「救い出すって……まるで学園がその娘を拘禁してるみたいな言い方ですね」
人類最強の請負人、哀川潤から舞い込んだ奇妙な依頼に従って私立澄百合(すみゆり)学園、またの名を《首吊高校(クビツリハイスクール)》に潜入した「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”は恐るべき殺戮の嵐に巻き込まれる――。

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第3弾
〔感想〕

ここからだんだんバトル化してっちゃうんだよな〜。
まぁこの短さで一応トリックもあるから良いんだけど。









サイコロジカル(上・下巻)

〔あらすじ〕

壊れるか闇に堕ちるか。
死線の蒼、絶対絶命玖渚友のかつての仲間、兎吊木を救出するため、友に連れられ謎の研究所に乗り込んだ「ぼく」。
その目の前で繰り広げられる戦慄のシーンは……

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第4弾
〔感想〕

うーん。
これも良いんだけど、ちょっと無理があるだろ。
玖渚さんが久々に登場だけど、この人あんま好きじゃないしな〜。









ヒトクイマジカル

〔あらすじ〕

生命を礼賛する行為には驚くほどに価値がない、生はどこまでも儚(はかな)く朧(おぼろ)で、死はどこまでも切なく幻だ。
そしてそれはただそれだけのものでありそれだけのものでしかなく、むしろそこにそれ以上の価値を見出そうとすることこそが冒涜だ。
生きること、そして死ぬこと、その両者の意味を誰よりも理解し、そしてその意味に殉ずることに一切の躊躇がない誠実な正直者、つまりこのぼくは、8月、縁故あって奇妙なアルバイトに身を窶(やつ)すことと相成った。
それは普通のアルバイトであって、ぼくとしては決して人外魔境に足を踏み入れたつもりはなかったのだけれど、しかしそんなぼくの不注意についてまるで情状酌量してはくれず、運命は残酷に時を刻んでいく。
いや、刻まれたのは時などという曖昧模糊、茫洋(ぼうよう)とした概念ではなく、ぼくの肉体そのものだったのかもしれない。
あるいは、そう、ぼくの心そのものかーー

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第5弾
〔感想〕

完全にラノベ。
出夢くんは良かった。









ネコソギラジカル(上・中・下巻)

〔あらすじ〕

大人気 新青春エンタ<戯言(ざれごと)シリーズ>!全ての終わりはまだ始まったばかりだ。
1年半の沈黙を破って放つ最終章。西尾維新、最高潮!
「よう俺の敵」“世界”を、そして“物語”を終わらせるため、「ぼく」こと“戯言遣い・いーちゃん”に「狐面(きつねめん)の男」はささやく。
キーワードは、加速。そして、世界の終わり。
何より、物語の終わり。
待ち受ける刺客(しかく)、<十三階段>の向こう側にある“終わり”の果てにあるものは!?

★★ 4点

〔受賞・シリーズ等〕
  戯言シリーズ第6弾
〔感想〕

無駄に長い、序盤で無駄に人が死ぬのに終盤の肝心なところで全然死なない、ラストが…等、欠点がたくさん。
シリーズ最終作なのにこれでは残念。
文が読みやすいので長さがそんなに苦痛でなかったのが救い。









零崎双識の人間試験

〔あらすじ〕

新青春エンタの最前線! “さあ、零崎を始めよう”
 
「零崎一賊(ぜろざきいちぞく)」――それは“殺し名”の第3位に列せられる殺人鬼の一族。
その長兄にして切り込み隊長、“二十人目の地獄”にして奇怪な大鋏“自殺志願(マインドレンデル)”の使い手、息をもつかせぬ波乱の向こう側に双識を待つものは……!?
新青春エンタの最前線がここにある!

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第1弾
〔感想〕

もはやただのラノベ。
ただのラノベとしてはまぁ面白い。









零崎軋識の人間ノック

〔あらすじ〕

零崎―それは血を流して繋がる「家族」。最も荒々しく、最も容赦のない殺人鬼の死闘。

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第2弾
〔感想〕

いまいちだっちゃ。









零崎曲識の人間人間

〔あらすじ〕

『零崎一賊』―それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
“少女趣味”こと零崎曲識が、一賊に忍び寄る危機を察知し、ついに表舞台に現れた。
一賊の結束はどうなるのか。
“音使い”零崎曲識の闘いが今、始まる!
新青春エンタの最前線がここにある。

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第3弾
〔感想〕

ただのラノベに堕ちた「ヒトクイ」以降のシリーズだが、この作品は曲識さんの魅力だけでかなり楽しめた。









零崎人識の人間関係 匂宮出夢との関係

〔あらすじ〕

「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
汀目俊希として中学校に通う零崎人識の下に、彼の友人を名乗る人物が現れた。
“殺し名”序列一位、匂宮雑伎団の次期エース、匂宮出夢である。
その口から発せられた『お願い』とは……!?

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第4弾
〔感想〕

人間関係シリーズの中で一番タイトル通りな作品。
出夢が活躍するだけで満足。









零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係

〔あらすじ〕

「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
兄弟になったばかりの零崎人識と無桐伊織は人類最強の請負人・哀川潤を勝算を持って襲撃する。
しかしその結果二人は彼女の『仕事』に巻き込まれる羽目に!
向かう場所は“殺し名”序列二位、闇口衆の拠点・大厄島、向かう敵は生涯無敗の結晶皇帝、六何我樹丸!

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第4弾
〔感想〕

人間関係シリーズの中でも一番つまらなかった。









零崎人識の人間関係 零崎双識との関係

〔あらすじ〕

「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
零崎人識、17歳、
もっとも自由だった全盛期の春。
“殺し名”七名の対極に位置する“呪い名”六名――時宮病院、罪口商会、拭森動物園、死吹製作所、奇野師団、咎凪党――の寄せ集め、裏切同盟と兄・零崎双識との戦闘に、彼は否応なく巻き込まれ――

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第4弾
〔感想〕

人間関係シリーズの中でも一番内容がないバトルバトルしたバトルもの。









零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係

〔あらすじ〕

「零崎一賊」――それは“殺し名”の第三位に列せられる殺人鬼の一賊。
死んだ人間みたいな目をした少年と、顔面刺青の殺人鬼。
二人の出会いが、そして語られることのなかった京都連続通り魔事件の真相がついに明かされる!
零崎人識の動機と、その無惨なる結末は……!?

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  人間シリーズ第4弾
〔感想〕

人間シリーズの中で唯一ミステリ的な趣向のある作品。
やっぱりシリーズ中一番良かった。









きみとぼくの壊れた世界

〔あらすじ〕

禁じられた一線を現在進行形で踏み越えつつある兄妹、櫃内様刻と櫃内夜月。
その友人、迎槻箱彦と琴原りりす。
彼らの世界は学園内で起こった密室殺人事件によって決定的 にひびわれていく…。
様刻は保健室のひきこもり、病院坂黒猫とともに事件の解決に乗り出すが―?

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  世界シリーズ第1弾
〔感想〕

帰ってきた西尾維新!
「ヒトクイ」あたりからミステリ離れしたためあまり読んでいなかった維新だが、このシリーズでは懐かしい維新流本格ミステリが蘇る。

鬱陶しい時と素晴らしい時とに分かれる戯言的一人称語りも、今回は素晴らしい方だった。
登場人物が"戯言シリーズ"などのようにわけのわからない壊れ方をしてないおかげで、なんだか共感する部分も多くて楽しめた。
妹萌えみたいなのも普段は止めて欲しいと思うが、今作は結構内面まで描かれていなくもなかったので許容範囲内。

ミステリ部分は、若干小粒な感は否めないものの、戯言に気を取られていたのもあってすっかり騙された。
(ネタバレ→)剣道の防具を使った入れ替わりというシンプルイズベストなトリックに感心してしまった。
(ネタバレ→)わざわざトリックを仕掛けた動機についても物語性と不可分の驚きが演出されていて素晴らしい。

「クビキリ」「クビシメ」ほどではないものの普通には、いや普通以上には楽しめるど真ん中なミステリ。
これを待っていたのよ。









不気味で素朴な囲われた世界

〔あらすじ〕

時計塔が修理されない上総園学園の2学期の音楽室。
そこから始まった病院坂迷路と串中弔士の関係。
歪な均衡を保つ学園の奇人三人衆、串中小串、童野黒理、崖村牢弥。
そして起こってしまった殺人事件。
迷路と弔士による探偵ごっこの犯人捜しが始まり、崩れたバランスがさらに崩れていく……。

★★★ 6点

〔受賞・シリーズ等〕
  世界シリーズ第2弾
〔感想〕

第一のトリックがかなり早い段階で解かれたのには少し驚いたが、まぁ、あのトリック一本で長編を支えるのも苦しいだろうから賢明な判断だと言えるだろう。
ただ、その後、終盤で明らかになる(ネタバレ→)わざわざあんなトリックを使った理由の捻りはなかなか。
また第二のトリックもかなりしょぼいけれど、(ネタバレ→)迷路の死という派手な急展開に目が惹かれたことで、トリックに思い至れなかったのが悔しい。

そして本書の見所は、何と言っても異様な(ネタバレ→)操りの構図
ミステリ的にはアンフェアというか、唐突な感が強いけれど、その唐突さが西尾維新の世界観では妙に説得力があったりするから不思議。
その(ネタバレ→)操りの構図を含めて展開の意外さが魅力的な一作。









きみとぼくが壊した世界

〔あらすじ〕

奇妙な相談を受け、シャーロック・ホームズが愛した街・ロンドンへと誘われた病院坂黒猫と櫃内様刻。
次々と巻き起こる事件の謎解き合戦が始まった!
これぞ世界に囲われた「きみとぼく」のための本格ミステリ!

★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  世界シリーズ第3弾
〔感想〕

「せんたくもんだい編」
(ネタバレ→)人目のある中で誰がどうやって殺したのかというハウ、フーから、解決編で(ネタバレ→)なぜ自分の胸を刺したのかというホワイに変わるのがお見事。
その異形にして脱力の真相も(ネタバレ→)作中作ならではのバカミス具合で個人的には好き。

「あなうめもんだい編」
少し無理のあるトリックだが、大胆さに免じて許そう。
だって面白いのは確かだから。

「ちょうぶんもんだい編」
こりぁ酷い、良い意味で。
単純なことなんだけど、あまりの残酷さに盲点になるという意外性。
こういう構成じゃなければ物凄く気分の悪いトリックだが、この構成のおかげで助かった。

「ろんぶんもんだい編」
(ネタバレ→)黒猫の命懸けの作戦は面白かったが、(ネタバレ→)作中作だろうと分かっているから、そこに凄絶さを感じられなかったのは残念。

「まるばつもんだい編」
(ネタバレ→)最初の読書は作者という詭弁みたいなアイデアは読書の立場からは盲点で面白い。
メイントリックも、(ネタバレ→)洋画を観ていて登場人物の顔がごっちゃになることが良くあるので納得。

「えんでぃんぐ」
結局どう落とすのかと思ったらこれではちょっと拍子抜け。
(ネタバレ→)笛吹さんの叙述トリックは取って付けたようだし、(ネタバレ→)黒猫も様刻も作者ではなかったというのも、面白くはあるが、説得力に欠ける。

まとめ
思っきし某歴史的傑作(→)匣の中の失楽へのオマージュだが、そこは維新、あの名作を分かりやすいエンタメに振り切るとこうなるのかといった作品。
トリックは"面白い没ネタ"といった感じでこれはこれでとても楽しい。
とにかく、かなりお遊びのミステリに振り切っていて好印象。









不気味で素朴な囲われたきみとぼくが壊した世界

〔あらすじ〕

平和だったはずの私立千載女学園で、不可思議かつ不可解な殺人事件が起こる。
そしてそこに勤務していたのは、こともあろうか倫理教師となったあの串中弔士。
病院坂迷路を巻き込んだ事件から14年。
探偵ごっこの犯人捜しが再び始動。
犯人は一体?!

★★☆ 5点

〔受賞・シリーズ等〕
  世界シリーズ第4弾
〔感想〕

ここまで結構なクオリティを保ってミステリしてくれていた世界しりーだったが、ここであららの四作目。

序盤からフーダニットでもハウダニットでもないことは自明なので、普通に考えてあとはホワットかホワイしかないのだが、この二つもいまいち。
ホワットの方は面白味は感じたものの後出しすぎる。
露骨でも伏線が張ってあった方がマシ。
またホワイに関しても面白味は感じたものの後出しすぎる(再び)。
まあ、(ネタバレ→)弔士くんが出てきて、彼がカウンセラーをやっている時点で(ネタバレ→)彼が生徒を何らかの形で操ったのだという真相を示唆してはいるけれど、それは伏線と呼ぶには弱すぎるので、やはり唐突さは拭えない。

あとがきによると次作が最終巻らしいので、巻き返しを期待。









ダブルダウン勘繰郎
トリプルプレイ助悪郎

〔あらすじ〕

夢も希望もない世の中だって?なければ作ればいいだけじゃないか―
無理だの不可能だのってのは、実はただの御託だったりするんだよ。
まずは手を伸ばしてみるところから始めてみればいいじゃねえか。
案外それは、あっさり届いちまうかもしれないぜ(『ダブルダウン勘繰郎』)。

一回盗みに入るたびに三人殺す。
そう、私こそは三重殺の案山子。
夢と希望の化身。
私は誰にも捕まらない、私に盗めないものはない、私に殺せない人間はいない。
私は道理に満ちていて、私は可能性に満ちている。
ゆえに欲しいものは必ず手に入れる(『トリプルプレイ助悪郎』)。

ダブル→★★★ 6点
トリプル→★★★☆ 7点

〔受賞・シリーズ等〕
  
〔感想〕

「勘繰郎」
会話といいストーリーといいナントカ院さんより断然面白いんだが…
トリビュートなのに本家より面白くちゃいかんじゃないか。
 
「助悪郎」
クビシメロマンチスト以来の面白い西尾ミステリ。
各章の扉の引用も良いね。
というか西尾氏も折角こんなミステリが描けるのにラノベばっかり描いてないで欲しい。







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